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La Belle du Jour 3 [素晴らしきレストラン]

椅子を引いていただき、ようやく食事が始まります。

アミューズがグージェール(チーズ入りのシュー)に
スカンピのフリカッセ(白い煮込み)がはさんであります。

ふわふわのスカンピとクリーム、いろいろな柔らかいハーブが
グージェールに包まれてやさしく料理が始まります。

そこから前菜、魚、肉とどれも素晴らしい時間が待っています。

前菜はスープ皿に赤ピーマンのムース。
その上にトマトのクーリが引いてあって、
スプーンを入れるとピンク色のムースが覗きます。
上にプチトマトやブロッコリーやタイム、
いろいろな野菜が一つづつ別に調理され、ヴィネグレットをまとって
きらきらと宝石箱のようです。

魚はアンコウとフォアグラのソテー。
シェリービネガーとフォン・ド・ヴォー、エストラゴンのソース。
ぷりぷりのアンコウにスパイスがまぶしてあり、
その上にはとろとろのフォアグラ、
ソースが酸味とフォンのこく、バターのまろやかさで包みます。
スパイスの力強さとフォアグラのパワーを丸く、
お行儀よくさせています。

La Belle du Jour 2 [素晴らしきレストラン]

ウェーティングルームといっても
アールヌーボーの装飾がしてあるガラスで囲った小さなもので
小さな丸テーブルに一組分のスーペースしかないようなものでした。

その小さな丸テーブルに長いクロスが2重にたっぷり掛けてあって、
ちょうど店の入り口とホールとの間、といった印象でした。

「食前酒はいかがですか?」
グラスシャンパンを頼むとモエがクウォーターの瓶ででてきました。

モエに対していい印象のなかった私。(失礼!)

状態がすっごく良くて衝撃的なおいしさです。

いい店はワインの状態が素晴らしいんだな~(シャンパンはとても弱いワイン)
と思っていると突き出しが出されます。

カリフラワーとロックフォールの小さなグラタンがかわいいお皿に
ちょこんと乗っています。

・・・きれい・・・

!!おいしい!!

シャンパンをゆっくり飲み終えそうな具合になると
すすすと空気のように支配人がよってきて
「お席の用意が整いましたのでご案内いたします。」

ほんとうはもうずっと前から準備できていたのに
うやうやしく「お待たせいたしました」と案内されます。

このときも支配人に案内されて(かるい姫気分)
私までも落ち着いた雰囲気で席に着きます。

いつもいつも背の小さい私はレストランで
いすを引いていただくときに問題がありました。

背が小さいのであんまり深く座ると
足が子供のように宙ぶらりんになってしますのです。

それが食事しづらくていやでいやでしょうがなく、
毎回座りなおしたものです。

ところがベル・ドゥ・ジュールでは
ぴたっっとジャストのタイミングで
あたかも最初からそうであったかのように椅子がおさまります。


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La Belle du Jour 1 [素晴らしきレストラン]

今はもうないフレンチレストランですが、
私の記憶に鮮明に残る、忘れられないレストランがあります。

それは白山にあった「ラ・ベル・ドゥ・ジュール」
La belle du jour

クラシックな、アールヌーボーの内装の、
そこだけ時間を切り取ったかのような、
ひそやかで親密な、素晴らしいレストランでした。

雨が降り始めてしまったので予約より少し早かったのですが、
レストランに入れてもらおうと思い、ドアを開けようとしたそのとき!

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
とメートルがドアをすっと空けてくださったのです。

雨が降ってきたので早くついて申し訳ない旨を伝えるとにっこり、
「それでは準備が出来るまでこちらでお待ちください。」
と何もかもが整った店なのに小さなウェーティングに通されました。

ほんのすこし、解るか解らないかぐらいに薄くお香が炊いてあり、
そこでアペリティフをいただいたのです。


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